OTC市販薬で薬物依存症
調剤薬局で薬剤師をしているMです。
私は薬剤師ですので、お薬に関する情報も定期的に更新していきたいと思います。
調剤薬局で薬剤師をしていると、病院の医療用医薬品ばかり目にしますが、OTC市販薬のお薬の情報も大切ですよ〜。
皆さんが一番身近なのは、病院のお薬ではなくて、ドラッグストアで気軽に買えるお薬のIOTCですよね(^^♪
そのOTC市販薬も使い方を間違えると、とんでもないことになるので注意していきましょう。
ブロン液で薬物依存症になる
トップバッターは、咳止めシロップです。どこかで聞いたことありませんか?ブロン液って名前を?(トニンも人気です)
いや、別にこちらの咳止めシロップだけが問題になるわけではなくて、咳止めシロップ全体が対象となっているお話です。この咳止めシロップの主成分は、「ジヒドロリン酸コデイン」という成分であり、このジヒドロリン酸コデインを0.5%(30mg/60ml)含む咳止めシロップは、文字通り咳止めの鎮咳作用を示します。ここで問題になるのが、一度に規定量よりも多く服用した場合、実際は麻薬を使用しているのと同じ条件になってしまうのですよね。ジヒドロリン酸コデインは、その濃度によっては、麻薬扱いになります。
具体的な例を言いますと、以下の1)と2)のパターンがブロン液の終着点です。
1)ブロン液を規定量服用している場合、非麻薬扱いとされる量のジヒドロリン酸コデインを服用していることになり、依存性などはありません。咳止めの効果のみ発揮致します。咳が止まれば服用をやめる。
2)何かの拍子にブロン液を一気に一本飲む人がいますが、そのような方は、短時間のうちにもう一本ブロン液を一気飲みします。これだと、麻薬扱いとされる量のジヒドロリン酸コデインを服用していることになり、依存性ができます。咳止めよりも覚醒感覚や依存性の方が目立った効果となってしまします。
2)の状態ですと、麻薬中毒者さながらの言動が現れます。私はOTC医薬品について薬剤師として販売していた経験がありますが、いわゆる”咳止めシロッパー”の方は、咳止めシロップを販売してくれないとなった場合、暴れます。それはそれは、悪態をつき、警察沙汰になることもありました。午前中買いに来た客が、午後も買いに来て、一日一本までですよ。また、明日宜しくお願いします。というと、大暴れ!! 「時間がたっているからいいだろう!!俺いつもほかの商品も買っているよ〜!」と言っておりますが・・
時間は24時間経過していただきたく思います。ポテトチップスなどの食品商品のご購入、いつもありがとうございます。と私は思っていました。
さて、この咳止めシロッパーさん、暴れる暴れる。仕方なく「一本だけですよ!」と言って、一本だけ販売すると、いっきに笑顔になりました(笑)。←やばいでしょう。。
麻薬中毒者の方って、こんな感じなんだな〜っと思っていましたよ。
咳止めシロッパーさんは、一度に大量にブロン液を購入(「咳止めシロップ12本ください!」って真顔で言っておりました(笑))しようとするので、保健所等から、「一日一本までの販売をするように」お店側に指摘がはいったことがあります。それ以降、そのドラッグストアでは、咳止めシロップは一日一本までとしておりました。(ここだけのお話ですが、ドラッグストアさんも悪と知りつつ、「シロッパーは金づるだから、好きなだけ売って!」ということを店長さんが言っていました。⇒こんなこと言っている方が店長なの・・・
まあ、いずれにしても、咳止めシロップで麻薬依存になってしまった方が少なくないのですよね。おいしいものでもないのですが、いったん薬物依存になってしまったら、もとに戻ることはできません。OTCのように簡単に購入できる医薬品の中にも、人生を変えかねない薬物があることを紹介させていただきました。