胃腸の働きを整える漢方薬

胃腸の調子がいまいちな時、使いたい漢方薬です。安中散はご家庭に常備しても良いでしょうね(^^♪

 

安中散

胃の調子がおかしい時に効果を発揮します。安中散は体を温めて血のめぐりをよくすることで胃腸の働きを本来の働きに戻し安定させるように作用します。血の巡りの安定は、胃腸にかがらず胸焼けや吐き気を軽減するのにも効果がありますよ。
ストレスの多い現代では、昔よりも活躍しているのが安中散です。

ワンポイントアドバイス:胃に痛みがある場合もとても効果がありますよ

 

 

桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)

端的に言いまして、「過敏性腸症候群」に効果があります。強いストレスから来る下痢、便秘など腸の調子が崩れた時、それも下痢と便秘が繰り返し起こるような場合、大きな効果があります。

ワンポイントアドバイス:腹部膨満感というおなかがはってしまう症状に効果があり、術後の腹部膨満感に処方されることもあります。

 

ワンポイントアドバイス:桂枝湯と桂枝加芍薬湯はすごく似た漢方薬ですが、作用が違います。

桂枝湯⇒風邪の症状に有効です。
桂枝加芍薬湯⇒過敏性腸症候群に有効です。

 

どちらも芍薬、桂皮、甘草、生姜と大棗(たいそう)が含まれているのですが、芍薬の量が多いか少ないで、効果の違いが出てきます。面白いですよね。
まるで、西洋薬のバファリンのようです。バファリンについてはこちらから⇒お薬のアッと驚く効果と使い方

 

 

麻子仁丸(ましにんがん)

便秘に効果があります。主に便秘に効果がありますが、その効果は、腸を潤すことで、便秘にまつわるニキビや皮膚荒れなどにも効果があります。

ワンポイントアドバイス:便秘に対して有効な漢方薬は、麻子仁丸と大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)がございます。
大黄甘草湯は、下剤の効果が強いので、すっきり便を出したいときは、大黄甘草湯がお勧めです。ただし、連用すると効果がだんだん低くなっていくので要注意です。

 

六君子湯(りっくんしとう)

胃腸が弱って、食欲がない時に効果があります。
また、気力を回復させる効果があるとされ、うつ病の治療にも西洋薬と一緒に処方されることがあります。うつ病になると、食欲がなくなりますのでその軽減が狙いです。

ワンポイントアドバイス:四君子湯(しくんしとう)ってご存知でしょうか?六君子湯よりもさらに弱っている方向けの同じ効果の漢方薬です。六君子湯があまり効かず、むしろかえって胃がもたれてしまった場合は、四君子湯の方が良い場合があります

 

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

名前から・・なんとなく元気にしてくれそうな漢方薬であることがわかるかと思います。元気にして胃腸の働きを元に戻すタイプの漢方薬です。
補中益気湯には、人参と黄耆(おうぎ)と呼ばれる生薬が配合されており、この2つが元気にしてくれる効果を発揮します。気落ちしているときなどにも効果があり、入院中落ち込んでいる方に処方されることがあります。

ワンポイントアドバイス:人参と黄耆(おうぎ)と呼ばれる生薬が配合されているのは、補中益気湯ともう一つあります。十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)です。

現代版のエナジードリンクのような使い方のイメージですが、現代のエナジードリンクは、砂糖水ですね(笑)

 

小柴胡湯(しょうさいことう)

柴胡(さいこ)が配合されている漢方薬であり、そういったものは往々にして「長引いた症状」に有効なのです。食欲不振や慢性胃炎、さらには慢性の肝炎にも有効です。

ワンポイントアドバイス:小柴胡湯は喘息にも効果を発揮しますよ。喘息の頻度が減るようなイメージです。子供が便秘した時にも使われます
ワンポイントアドバイス2:肝炎の治療には、小柴胡湯と補中益気湯の2種を組み合わせて使用することが多いです。

 

小建中湯(しょうけんちゅうとう)

膠飴(こうい)という生薬を含んでおり、虚弱体質な子供に相性が良いです。桂枝加芍薬湯↑が体が弱っている方用の胃腸の働きを整える漢方でしたが、小建中湯はさらに体が弱っている方の胃腸の調子を整えてくれる漢方です。
多汗症や頻尿といったお悩みにも効果がありますよ。

ワンポイントアドバイス:大建中湯(だいけんちゅうとう)という漢方薬もあります。おなかにガスがたまっているときに効果があります。

 

真武湯(しんぶとう)

すごい下痢に効果があります。時々水のような下痢と言われますが、そんな下痢に効果がありますのが真武湯です。
ただし、体が弱っている方やお年寄り向けの漢方薬です。体力のある人の下痢は、大黄甘草湯↑か大柴胡湯を使いましょう!